RTSの標準レン ズとしてセット販売されていたいわゆる標準レンズ。
開放ではソフトフォーカスフィルターをつけたような柔らかな描写が得られ、二段ほど絞ってやれば急激に切れ味もコントラストも上がる玉です。
フィルム時代は中古相場は2万円くらいでしたが、EOSデジタルでアダプターを付けてやれば使えるということで注目を浴びて、その後SONY NEXやFUJIのX-Pro1が発売されると、中古相場は急激に跳ね上がり状態の良い玉は10万円前後で販売されていたこともありました。
現在ではZeissから各マウント用に最新のプラナー50mmが出揃ってきたのと、京セラから保守サービス終了の案内などから、相場は下降傾向です。
かなり入手しやすくなってきたのでは無いでしょうか?
私自身はフィルム時代に最も多用したレンズだと記憶しています。
とくにKODAKのEPR(エクタクロームプロASA64)とこの玉の組み合わせは絶品で、ボケの柔らかさを最大限引き出せる組み合わせだったと思います。
EPRがこの世界から消えたことで、フィルムカメラに戻ることは二度と無いと思いました。
逆に言うとベルビアでは、この玉の持っている個性を十分に引き出すことはできないと感じていました。
もちろん、ある程度絞ってベルビアを使った写真は十分説得力のあるものでしたが、このレンズの開放絞りの魅力を引き出すことはできないと、、、。
CONTAXがカメラ業界から撤退した後、私の夢は何とかあのボケ味をデジタルで再現してみたい、、、、。
それを叶えてくれたのがSONY NEX3でした。
小さくて安価なカメラだけれど、Zeissレンズで武装すれば無敵の表現が可能になる??
はたして??
実際にはどうなんでしょうか?
ここでは、実際の作例をあげながら、その描写の真実に迫って行きたいと思います。
当時のカタログより
※ 情報は1987年8月当時のものです、価格は後に改定されています。
ChatGPTによる解説
Carl Zeiss Planar T* 50 mm f/1.4(C/Y マウント/Yashica-Contaxマウント)
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このレンズは、35 mm判(24×36 mm)用SLRシステムである「C/Yマウント(Contax/Yashicaマウント)」向けに開発された、標準域50mmかつ大口径f/1.4の定焦レンズとして非常に有名な一本です。以下、特徴を整理してご紹介します。
光学仕様/基本スペック
- 焦点距離:約 50 mm(実際には51.8 mm表記のものあり)ツァイス+1
- 最大絞り:f/1.4ツァイス
- 最小絞り:f/16(絞り羽根の枚数・バージョンによって異なる)Imaging Resource+1
- レンズ構成:7群6枚(C/Y版)ツァイス+1
- 最短撮影距離:約 0.45 m(0.45 m=45 cm)ツァイス+1
- フィルター径:59 mm(C/Y版初期)ツァイス
- 重量:約 290 g 程度(カタログ値)ツァイス
- コーティング:T*(多層反射防止コーティング)を採用ツァイス
描写の特徴/実写上の挙動
メリット:
- 開放f/1.4という明るさを活かし、薄い被写界深度や暗所でも使いやすいという“速さ”を備えています。Casual Photophile+1
- 中絞り(例えばf/2.8〜f/4以降)ではシャープネス・コントラスト共に非常に優れ、高画質な標準レンズとして活用可能です。ツァイス
- 色再現・コントラスト・ヌケの良さが評価されており、Zeissレンズらしい描写の“味”があります。Pentax Forums+1
- フレア・ゴーストに対して当時としてかなり良い耐性を持っているというレビューがあります。phillipreeve.net
注意点/特性:
- 開放(f/1.4)ではややコントラストが低めで、画面隅部の描写や絞り開放でのシャープさには限界があります。phillipreeve.net+1
- 開放〜f/2の範囲では、色収差(特に軸色収差・LoCA)が目立つ場合があります。DPReview+1
- 暗めの絞り(f/1.4開放)では周辺部の光量落ち(ヴィネット)やや強めという指摘があります。Casual Photophile+1
- ボケ味に関しては“非常に滑らか”という評価もあれば、「ややハードな輪郭がある」と評価されることもあります。DPReview
使いどころ・活用のヒント
- ポートレート撮影:背景をやわらかくぼかし、被写体を浮き立たせた撮影に向いています。開放近辺で浅い被写界深度を活かせます。
- 日常スナップ〜風景:絞りを少し(例:f/4〜f/8)絞ることで画面隅までシャープな描写が出て、常用レンズとしても良好です。
- デジタルミラーレスへの流用:マウントアダプターを使ってミラーレスカメラで使われる方も多く、特に描写の“味”重視のユーザーに人気です。Overland25+1
- 開放で撮る場合、被写界深度が浅くなるため「どこにピントを合わせるか」「背景との距離」が重要になります。隅の描写やコントラストの低さを補うためにも、撮影条件・構図に少し気を使うとより良く使えます。
- 色収差・光量落ちが気になる場面では、絞る(例:f/2〜f/2.8)ことで十分実用的な描写レベルになるというレビューもあります。phillipreeve.net
まとめ
このレンズは「古典的名玉」として名高く、特に描写の味わい・クラシックな雰囲気を重視する方には非常に魅力的な一本です。一方で、最新のレンズと比べると「開放でのシャープネス」「余計な収差」「周辺光量落ち」などの癖もあるため、その特徴を理解した上で使いこなすことで真価を発揮します。
作例
EPRのボケ味

これがEPRとプラナー1.4/50のボケ味ですね。
このボケ味はEPRでないと実現しません。
デジタルの厚みの無い受光素子では逆立ちしても表現できない世界です。
フィルムは透過性でしかも厚みがある!
フィルムの厚みがなければこういう絵は実現しない、、、、。
花・植物
カタクリ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
Planarのボケはこの位くらいの間合いだとグルグルボケが出ますね。
ハイライト付近の階調は実に豊富で、白飛びすることなく光をきっちり表現してくれています。

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4
前ボケも後ボケも自然な感じですね。
八重の椿

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 + CANON close-up Filter No,4
こちらはクローズアップフィルターを併用した作例です。
わかりやすく言えば、老眼鏡をはめる感じですかね?w
老眼鏡をはめることによって、より近いところまで焦点を合わせることが可能になります。
(若い人にはピンと来ないか?w)
シダ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ + KENKO EX Tube10mm
このボケのグラデーションがプラナーという感じがします。
ルドベキア

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ + KENKO EX Tube10mm
接写リングを併用した時のボケ具合は、うっとりとしますな。
キツネノカミソリ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ + KENKO EX Tube10mm
ボケの柔らかさに酔いたい^^;w
シオン

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ + KENKO EX Tube10mm
これがプラナーのボケ味の世界です。
彼岸花

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
プラナーの赤はどうでしょう?
ケイトウ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
F5.6まで絞ってやれば、ご覧の通りキリリとした表情も見せてくれますね。
ポートレート
犬と猫

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
柔らかさとトーンの豊富さが持ち味のプラナーであれば当然犬や猫にも最適な玉だと言えますね。
雑種犬

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
この玉は開放だと色味が暖色寄りなのに対して、F2.8よりも絞ると必ず寒色寄りに色が流れてしまいます。
その辺がレンズのせいなのか?
カメラとの相性なのかはよくわかりません。
全く同じ構成のPENTAX Takumarと比較した記事がありますので、色味の違いはわかると思います。
茶トラ猫

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
こちらはその記事からの一コマです。
タクマーの1.4/50とプラナー1.4/50の撮り比べです。
茶色い毛並みの犬猫に関してはタクマーに軍配が上がる感じがするかも??w
人物

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
暗い室内では活躍します。
建築
金沢市民芸術村にて

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
金沢市民芸術村の一コマです。
ここではよくレンズのテスト用写真を撮りに行きました。
コッテリとした色合いで存在感を感じさせてくれる絵です。
50mmなので建物全体というよりは、スポットを狙うという感じかな?

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
こんな感じですね。

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
質感もなかなかいいんじゃないですか?
最近のレンズのようにキレッキレな絵ではないのに、ちゃんと素材の違いを感じさせてくれます。

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
色の中の明暗、シャドウの中の明暗。
CONTAXレンズの諧調の豊富さを感じさせてくれる一枚ですね。
ガラス一枚一枚の素材の良さから来る透明感。
当時のCONTAXレンズは他社のと比べて抜群の透明感を感じました。

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
なかなかに濃い絵です。
風景
雪景色

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
曇天というか雪の止み間の一枚です。
微かな光ながら何か奥行きのある描写だと感じますね。
犀川上流域

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
風景写真にも使える玉ですが、解像力はそれほど高くはありません。
トーンや色彩で見せる玉です。
石動山から富山湾越しの立山連邦

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
風景写真の場合撮って出しだとなにかパッとしない感じ?
トーンが豊富な分撮って出しだと眠い感じになるのかな?
逆に、明暗が強すぎる劇的な光とかを受け止める懐の広さがある感じなのか?
その辺はレタッチの腕が試されるところかもしれません^^;w
稲刈りの後

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4
F5.6くらいまで絞ってやれば抜群の解像力を発揮します!
夕景

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
夕焼けもお得意です^^;w
色彩
バラ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
この表情は、帝王でなければ、描けない絵ですね!
CONTAXならではの濃ゆい絵です。
百万人のキャンドルナイト

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
蝋燭の光の色彩はいかが?
唐辛子

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
唐辛子の赤!
ヨウシュヤマゴボウ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
透過光の色彩はCONTAXレンズのアドバンテージです!
紅葉
NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ
色彩と光の変化。
これがヤシコンZeissの世界だ!
接写
ミゾソバ

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 + KENKO EX Tube10mm
プラナー1/1.4の採点撮影距離は45cmです。
接写するためにはいくつかのアイテムが必要になります。
電子接点付き接写リングは一つ持っておくとそのマウントの多くのレンズで使用可能です。
インナーフォーカスタイプのレンズだと使えないものもありますけどね。
オールドレンズであればほぼほぼ使えるんじゃないでしょうか?
ノブドウ

NEX-3 CONTAX Planar 50mm F1.4 + KENKO EX Tube10mm
難点は、リングをはめてしまうと無限遠が出なくなる。
ピントが合う幅が制限されてしまう点ですね。
リングの厚みによって合焦範囲は変わってきます。
チューリップ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 + CANON close-up Filter No,4
こちらはクローズアップフィルター、いわゆる老眼鏡ですかね?
これはレンズの前面に装着するフィルターなので、お手軽に接写ができます。
レンズを外す必要がないのでゴミの侵入の心配がないのが何よりもありがたいです。
レンギョウ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 + CANON close-up Filter No,4
プラナー1/1.4のボケ味を遺憾なく楽しめるのが接写の醍醐味ですね。
カマキリの子供

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 + Mutar1
ムター1を挟むことで焦点距離は100mmになり、最短撮影距離は45cmのままなので接写が可能になります。
ただし、開放F値は2.8まで落ちますね。
当然、一旦レンズを外してレンズとボディーの間に挟む必要があります。
イオウイロハシリグモ

NEX-5N CONTAX Planar 50mm F1.4 + Mutar1


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